センター概要
センター長挨拶
平成28年3月
東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター
センター長 遠藤 哲郎
東北大学が有する多岐にわたる研究シーズと豊富な産学連携実績を求心力として、集積エレクトロニクス技術を研究開発し、及び、その技術に係る国際的産学連携拠点の構築を図ることを目的として設置された国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES)は、2012年10月に活動を開始してから3年が経ち、第2期に入りました。2015年10月より、引き続きセンター長を拝命しました。今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
第一期では、世界トップレベルの人材が本センターに集結すると共に、競争力のある学内コア技術と知財を集積し、フレキシブルで堅牢な多種多様な制度を構築しました。加えて、スピントロニクス集積回路対応としては、世界初となるワールドクラスの企業と互換性のある共通設備を整備し、革新的技術の開発を手掛けて参りました。材料・装置・デバイス・回路・システムなど多様な国内外の企業と連携して、7つの産学共同研究と3つの大型国家プロジェクト(JST-ACCEL, CSTI-ImPACT, NEDOプロジェクト)からなる国際産学コンソーシアム(CIESコンソーシアム)を運営して参りました。これまでに、産学連携活動を促進する共通設備から知財の運用などにかかる更なる制度改革に加えて、「宮城県と県内市町村が共同申請を行った民間投資促進特区(情報サービス関連産業)制度」と「東北大学と仙台市の協定に基づいた固定資産税等相当額の助成制度」を活用し、現在、数十社にのぼる国内外企業の参画を受け、産学共同研究拠点として世界的認知を受けるに至りました。
研究成果としては、特に不揮発磁気メモリ(STT-MRAM)の研究開発において、世界最高アクセス速度(2GHz)の4T-2MTJ型1M STT-MRAM、及び1T-1MTJ型2M STT-MRAMの開発に成功し、また、CIESコンソーシアム参画企業が新しいSTT-MRAM用計測装置シリーズをプレス発表する等、開発技術の実用化に関する成果を得ております。新しい産学連携の仕組みの構築によって、STT-MRAMを中心とした世界最大規模のコンソーシアムに発展させることができました。
第二期では、第一期での成果を拡充すると共に、ITと自動車産業を中心とした地域企業との連携の構築、研究テーマの拡充に向けたシーズ・ニーズ発掘の仕組みの構築に取り組んで参ります。具体的には、宮城県、みやぎ高度電子機械産業協議会、みやぎ自動車産業振興協議会、東北経済産業局等と協力して、地域・地元企業との技術マッチングプログラムに着手し、3つの実用化事業(うち1件は、国の橋渡し事業に採択)を立ち上げ、CIESコンソーシアムとして3本目の柱となる地域連携プロジェクトをスタートさせました。世界トップクラスの研究成果を更に蓄積し、ワールドクラス企業との産学連携研究を発展させると共に、地域行政のご協力を得て、地域企業との連携活動を進めて参ります。
これらの革新的技術の創出、地域活性化への貢献を通じて“世界から見える研究開発拠点”から“世界をリードする研究開発拠点”へと発展して行くことを目指して参ります。そして、本センターで創出された革新的コア技術の実用化・産業化に貢献すると共に、本分野を支える高度人材を輩出して参ります。これにより、我が国の国際的競争力強化と共に、東北復興に寄与して参ります。
ここまで、本センターが順調に軌道に乗って参りましたのも、多くの皆様のご尽力によるものです。この場をお借りし、心より感謝申し上げます。本センターの第二期での更なる発展のために、一層のご理解とご支援を重ねてお願い申し上げます。